月は、昨日と同じようには見えません。欠けぎわが動くたびに、昨日は平らに見えた場所へ影が伸びて、地形が立ち上がります。今夜の月には今夜の見どころがあり、そのひとつひとつに名前がついています。
月面図鑑は、その名前と解説を今夜の月に重ねて返す、日本語の月面アトラスです。iPhoneとiPadに対応しています。
【今夜の月から始まります】
アプリを開くと、今日の月齢と月相、日付、いまの高度と方位が並びます。月相の画像は月齢0.0から29.5まで0.5日刻みで60枚。左右のボタンで日付を送れば、明日の欠け方も、来月の満月も、先に確かめられます。月の出、月の入り、南中、天頂方向、月軸の位置角までを端末内の天文計算で表示します。観測地点は現在地でも、地図をタップした場所でも、緯度経度の直接入力でもかまいません。
【「あれ何?」に、名前で答えられます】
収録は434件。クレーター、谷や溝、月の海、山脈、着陸地点、そして観察現象まで。そのすべてに、概要と観察ポイントと読み上げ文があります。地図のラベルをタップすれば解説が開きます。詳しい情報を開けば、その名前が何にちなむのかまで確かめられる対象もあります。日本語名でも、英語名でも、読みでも、別名でも、ミッション名でも検索できます。両手が望遠鏡でふさがっているときは、マイクに向かって日本語で呼びかけてください。
【到達・着陸した15か所。人が降りたのは6か所】
1959年、ルナ2号が人類の人工物として初めて月へ到達しました。軟着陸ではなく、衝突です。人類初の軟着陸は1966年のルナ9号。同じ年に、アメリカのサーベイヤー1号も月面へ降りました。人が自分の足で降りたのは、1969年から1972年までのアポロ6回だけで、それ以降に届いたのは、いずれも無人の機体でした。中国の広寒宮と天船、インドのシヴ・シャクティ、日本のSLIM、民間のオデュッセウスとブルーゴースト。1959年から2025年までの66年が、同じ地図の上に並んでいます。地点をタップすれば、どの国のどの機関が、いつ、何番目に、そこで何をしたのかまで、15か所すべてで読めます。アポロ11号が降りたのは、静かの海の一角でした。教科書で読んだその地名は比喩ではなく、今夜の空で指させる一点です。
【もう一歩、地表へ近づけます】
355件の対象に、高解像のROI画像を用意しました。タイルはアプリに同梱してあるので、ダウンロードを待つ必要も、あとで消す手間もありません。ラベルをダブルタップすれば、クレーターの底や谷の縁まで降りていけます。アポロ11号着陸地点(Statio Tranquillitatis)だけは1画素0.5mまで寄れます。そのほかの対象は1画素100m級が中心で、精細さは対象ごとに異なります。月の海のような広い対象は、ROIではなく地図と解説で読みます。ROIはその写真が撮られたときの太陽光で写っているため、影の向きは今夜の月とは違います。
【高さは、形で読めます】
クレーターの深さは、数字で読んでも実感しにくいものです。収録したクレーター266件のすべてに、起伏を横から見た断面グラフを用意しました。壁の急さ、底の平らさ、中央丘の立ち上がり。ひとつのペインには、概要、主なスペック、観察ポイント、出典、関連する地形が並び、観察ポイントには434件すべてに「観察条件」が入っています。断面グラフや形成時代のように、資料が揃った対象にだけ現れる項目もあります。名前だけだった地形が、こうして傾きを持った地面になります。
【望遠鏡のそばで使えます】
表示は正立像、倒立像、裏像に切り替えられます。鏡筒をのぞいた向きと画面の向きが揃うので、上下や左右がひっくり返ったまま位置を探す時間がなくなります。どこを目印にその地形を見分けるかは、434件すべての解説に「見分け方」として書いてあります。暗順応モードは画面を赤く落とし、慣れた目を明るさで戻しません。月面座標グリッド、方位と天頂方向の表示も、その場での照合のためにあります。
【耳でも読めます】
ななみ、けいた。ふたつの日本語音声が解説を読み上げます。詳細を開いたときの自動再生、まとめてのダウンロード、Wi-Fi以外での取得可否、キャッシュの削除は設定で決められます。端末内の日本語音声を使うこともできます。接眼レンズから目を離さずに、いま見ている地形の話を聞けます。
【今夜だから見えるもの】
月に風は吹きません。刻まれた傷は、そのまま残ります。変わるのは光の当たり方だけです。欠け際に光と影が短い時間だけXの形に並ぶ月面X、嵐の大洋に浮かぶ明るい渦、ライナーγ。日付を送って月齢を合わせておけば、その夜に何が見えるかを先に確かめられます。
【こんな夜に】
・子どもに「あの黒いところは何?」と聞かれたとき
・望遠鏡や双眼鏡を買ったものの、どこを見ればいいか分からないとき
・月食や中秋の名月で、久しぶりに月を意識したとき
・アポロが降りた場所を、自分の目で確かめたいとき
【見え方は、自分に合わせられます】
・地名ラベルの日本語/英語切り替え
・ラベル密度の調整、月面座標グリッド
・月面の何もない場所をタップするたび、全表示/地名のみ/月面のみへ
・ピンチズーム、ドラッグ、ダブルタップで表示位置を戻す
・カテゴリ切り替え(クレーター/海/山脈/谷・溝・崖/着陸地点/明暗地形/観察現象)
・Dynamic Type、VoiceOver、Reduce Motionに配慮
【電波が届かない観測地でも】
月面地図、地名、解説本文、高解像ROIタイル、天文計算は端末の中で完結します。山の上でも、灯りのない河原でも動きます。通信を使うのは、読み上げ音声のファイルを取得するときと、外部の出典リンクを開くときです。
【無料で試して、必要なときに解除】
異なる対象5件までの解説ペインを無料で読めます。一度開いた対象は、そのあと何度でも読み直せます。その先も続けて使うときは、一度のアプリ内購入で、全対象の解説ペイン、観察ポイント、高解像ROI、解説音声が解除されます。買い切りの1回購入で、サブスクリプション(自動更新)ではありません。
【データと出典】
地名と座標は、USGS Gazetteer of Planetary Nomenclature(IAU採用地名)に基づいて整理しています。解説文は、出典を確認したうえでまとめた独自の日本語要約です。高解像画像はNASA/GSFC/Arizona State University、月相画像はNASA SVSの公開データに基づきます。出典と注意事項はアプリ内で確認できます。本アプリは、NASA、USGS、IAU、JAXAによる公式アプリ、推薦または提携アプリではありません。
今夜も、月は出ています。
名前を知っている場所がひとつ増えるだけで、見上げる時間は変わります。
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